20世紀初頭にはアメリカのフォード社からモデルTという自動車が販売されました。
現在では当たり前となった流れ作業を用いた大量生産方式が用いられ、大衆車として人々に広がっていき、生活に自動車はなくてはならないものとなりました。
これをモータリゼーションと呼びます。
モータリゼーションはアメリカで起こり、次第に欧州、日本でも起こっていきました。
日本でのモータリゼーションの広がりは比較的遅く、1970年代といわれています。
アメリカや欧州の背中を追ってきた日本の自動車ですが、今では海外でも人気が高く、特にアメリカでは人気ランキングの上位に常に日本のブランドの名前が挙がっています。
アジア圏でも人気があり、中古車市場で高騰しています。
ではなぜここまで日本車は海外で人気があるのでしょうか。
人気の理由に迫っていきます。
※一部個人的な見解となります。
日本車は丈夫だから!?壊れない日本車
アメリカでは売り上げランキング上位に、常に日本車の車名が挙がっています。
なぜ日本車に乗っているのかを聞くと、回答率が高いのが「壊れないから」。
アメリカの車がよく壊れるというわけではありませんが、日本車に比べて故障の数が多いことは事実です。(最近では品質も向上し、昔ほどではありません。)
しかしその時代のイメージはいまだに残っているようで、日本車のイメージは品質や信頼性の高さと答えます。
また、アフターサービスの質も重視されているようです。
「車に不具合があっても修理して乗ればいい」という思想が強いアメリカで、故障が発生した時のディーラーでの対応はとにかく「アフターサービスの質が高い!!」という声が多く聞かれます。
日本国内では不具合を発生させないことを最重視して開発がされている日本メーカーの自動車が、「壊れても修理して乗ろう」という思想が強いアメリカでは信頼性というイメージを強烈に残したようです。
品質の高さが大人気、アジア圏での日本車
ベトナムやフィリピン、タイ、中国等でも日本車は高評価を受けています。
その理由は「品質」。
東南アジア等では、日本では聞いたことのない自動車メーカがいくつかあります。
正直なところ、日本車とは比べものにならないほどチープです。
最近では改善されてきていますが、衝突安全性は日本車と比べものにならないほどです。
こういった安全面からも日本車は非常に人気を得ています。
また、最近では世界最大とまで言われる中国の自動車市場でも日本車は人気を高めてきています。
しかし、世界を代表するベンツやBMW等の高級車には今一つ届かず、今後レクサスなどの高級ブランドがどこまで迫っていくかが注目されます。
日本の技術力!ハイブリッド車の普及
欧州では自動車による大気汚染を非常に問題視しており、排出ガスについて非常にナーバスになっています。
ある国では、十数年後には内燃機関を使用した自動車の販売を禁止するという目標を掲げたりもしています。
そんな中、トヨタが1997年に発表したプリウスは世界初のハイブリッドカーで2000年から輸出され、現在では4代目まで進化してきました。
化石燃料だけに頼ることなく、電動化の先駆けとして世界中から注目されています。
こうした先進的な技術は世界で高く評価されています。
大気汚染にナーバスな欧州では別格の扱いを受けており、特に高評価される傾向があります。
メーカーそれぞれに強い特色がある
さまざまな国でも同様ですが、メーカーにより特色があります。
前述のとおり、トヨタはハイブリッドで技術力を提示しました。
実際の燃費も良く、大排気量のアメリカ車に比べると桁違いの燃費です。
この燃費の良さも、人気の理由の一つです。
スバルもアメリカではかなり人気があります。
「スバル=四輪駆動車」という印象がかなり強いようで、本格的なSUVでなくても、高い走破性を確保しているスバル車は、ファミリーでアウトドアを楽しむユーザーには非常に人気なメーカーです。
雪深い地域では、シェア率No.1の地域もあるほどです。
ホンダ自動車は、日本メーカーで比較的早い海外への進出でした。
もともとは、発電機のエンジンや二輪車で海外に進出していました。
続くように四輪車も海外進出し、日本車メーカーの老舗のような存在となっています。
F-1などのモータースポーツでの戦歴も人気を後押しする理由の一つです。
最近世間をにぎわせている日産も、フランスなどではかなりの人気があります。
やはり、カルロスゴーンがトップを務めているメーカーだけあって、ルノーに匹敵する人気です。
最後に
「理由なくして、ヒットなし」とはうまく言いすぎかもしれませんが、売れる「理由」は絶対あります。
好みも趣味も人それぞれ、国籍を問わず世界共通ですが、良いと思うポイントがあるからその車を買うのです。
見た目が好みだったり、燃費がいいところが魅力的に感じたり、速く走れる車がカッコよく感じたり、さまざまなポイントがあります。
そのポイントをどれだけ表現できるかが、人気になるかどうかの要素だと思います。
これからも、魅力的なポイントをたくさん持った日本車が世界中で走ってくれることを期待しましょう。