皆さんは中古車を買おうと思った時、どのようにして買われますか?
ほとんどの方はグーやカーセンサーといった、中古車情報サイトで検索をして目当ての車を探されると思います。
筆者自身も学生時代はまだ自動車業界に携わっていませんでしたので、そのように購入していました。
ところで、業者オークションという言葉を聞いたことがありませんか?
膨大な台数の中古車を扱い、日本全国にある各オークション会場では競りが行われています。
今回はその業者オークションでの購入を中古車販売店に依頼した場合、安くなるのかどうかなどを解説します。
業者オークションの仕組み
皆さんは業者オークションがどのような場所かご存知でしょうか?
オークション会場は全国に120会場以上もあり、日曜・大型連休を除く毎日オークションがどこかの会場では行われています。
オークションはどこの会場でも(一部は隔週開催の会場もあります)週に1回のペースでオークションが行われ、開催日が決められています。
そのため業者は、毎日異なるオークション会場を走り回って中古車の買い付けに力を注いでいます。
全国の業者から集められた中古車をオークション会場に常駐する検査員が検査を行い、その検査内容を記載した出品票を作成します。
それと並行して出品車両の写真撮影が行われ、業者専用のインターネットサイトにアップロードされます。
この作業を開催翌日から次の開催の前日までに各会場は行い、オークション業務は行われています。
オークションに出品されている車両は検査員によって検査は行われていますが、あくまで目安となる検査であるため落札前にその車に異常がないか確認しなければいけません。
それを「下見」と言いますが、検査精度や社内規定が各会場によって異なるために出品票を鵜呑みにできない会場もあります。
基本的には日本自動車査定協会や日本オートオークション協議会で定められた規約がベースにはなっていますが、各会場ごとのローカルルールが存在してどうしても検査が甘くなる場合があるからです。
これが下見をする理由です。
オークション会場を出入りできる業者であれば出品と落札の両方ができますが、今回は落札のみに焦点を当てたいと思います。
出入り業者とは当然あなたがご依頼する中古車販売店も含まれるわけですが、下見を済ませて購入の意志を確認した後に競り会場に移動します。
そして、そこで落札できればあなたの希望の中古車が買えるという流れになります。
中古車販売店と比較した時、オークションで購入する場合の注意点
ここまでの内容を見ると、業者オークションって実は安いんじゃないの?とか思わぬ掘り出し物があるんじゃないの?
とか色々な声が聞こえてくるでしょう。
どれも間違いではありませんが、オークションは全てがいいことだけではありません。
どういうことかと言うと、中古車販売店で購入を決めた場合に万が一キャンセルしたいと思っても最終的にはキャンセルできる場合がほとんどです。
ただし、ナビの取り付けや登録後だと揉める原因となりますので注意が必要です。
それと比べてオークション会場で中古車を買う場合には注意が必要です。
販売店側はあなたの依頼を受けてオークション会場に中古車を買いに来ています。
あなたからいくらまでなら出してもいいと話も聞いているはずです。
背景にはそのことがあるので、購入後にキャンセルをしたいと言うとほぼ間違いなく販売店と揉めますのでキャンセルが効きません。
買い方にもよりますが、通常は予算を聞いて販売店は該当車両を落札します。
しかし、オークション相場とは日々変わりますしオークション手数料や陸送代がどうしても掛かってきます。
ですので、あなたにキャンセルされてしまうと販売店は赤字となってしまいます。
トラブル防止のためにも、契約書等で購入前にお互いに約束を交わしておくことが大切です。
オークションで購入した車で見落とすことが多い事案として、その車両の不具合や板金です。
これは事前に販売店側とどのような話をしておくかにもよりますが、オークションで中古車を購入後に修理代が掛かるケースが十分に考えられます。
中古車販売店にある展示車を買うのであれば、すでに販売できる状態に車を仕上げてありますので基本的には修理の必要はありません。
しかし、オークションで購入する場合に買ったそのままで納車という形を取ると、不具合があるまま納車されるケースがあります。
これはきちんと販売店から申告されますので騙しているわけではなく、出品されている状態が全てです。
修理しますか?そのままにしますか?と聞かれるでしょう。
もちろん落札前に車の状態の説明があると思いますので、そこで相談すれば納車前に追加費用が必要な場合も考えられます。
実際、業者オークションで買った方が得なの?
読者の方が一番聞きたいのは恐らくここの部分ですよね。
オークションで中古車を購入した方が得なのかどうか?
ということですが、個人的意見として言えば金銭的には大差ありません。
その理由が先程の修理代等になるわけですが、表面上はオークションの方が安くなったとしても、結局はあなたが満足できる状態に販売店に修理してもらわなければいけないことを考えればほとんど変わらないぐらいの金額になります。
しかし、オートオークションでの注文販売において最大のメリットがあります。
中古車情報サイトには通常、販売店は売れる無難な中古車しか載せません。
今は「車離れ」と言われているぐらいの時代ですので、需要があまり無いような凝った中古車を在庫することはほぼ稀です。
中古車情報サイトに掲載している中古車も販売店が自社在庫として事前にオークションで仕入れてきた車です。
そこにはほぼ間違いなく売れる車を選択しますので車好きの方には向いていません。
そのため、特殊な車やどうしても外せない条件があってその中古車を購入したい方にとっては業者オークションで販売店に探してもらう方法が最も効率的と言えます。
最終支払い金額こそ変わりませんが、欲しい車が見つかる可能性はウンと上がりますのでこの点がオークションにおける最大のメリットだと言えます。
まとめ
- 業者オークションで購入しても金銭的な大差はない(個人的な見解。なぜなら落札した車のコンディションが必ずしも良好とは限らないため。修理または部品交換などの費用が追加されることもある。)
- オートオークションでの注文販売において最大のメリットは、特殊な車やどうしても外せない条件の車が欲しい方(そういった方の場合であれば、業者オークションで探してもらう方法が最も効率的と言える。)
自動車業界に携わる方でなければオークション会場に行くことはないと思います。
車好きの一般の方から見ればオークション会場は夢のような世界だと思います。
そんなオークション会場ですが、いいこともあれば注意しなければいけないこともあります。
オークションで中古車を買われる際は、その辺りの正しい判断をして購入されることをおすすめします。