ドレスアップの場面でよく目にするマフラー。
一口に「マフラー交換」と言ってもマフラーと言われる部品はひとつではありません。
ドレスアップユーザーであればテールパイプのみの交換というのが一般的ですが、なかにはエキゾーストマニーホールド手前まで交換される方もおられます。
一般的なのはドレスアップユーザーだと思いますので、今回はドレスアップユーザー向けにマフラーを交換するメリットとデメリットを解説したいと思います。
マフラー交換を法律の観点から見てみる
今ではマフラー交換をしている車両は珍しくありませんが、その昔はマフラーはおろかサスペンションを社外パーツに交換すると違法だったということをご存知でしょうか。
もともとは保安基準に関わるような部品は一切純正品以外の交換は法律で認められておらず、車検が通らないというのは当然ですが、警察官の目に留まれば違反切符を切られてしまうという時代がありました。
そういう時代を経てさまざまな規制緩和の結果としてマフラー交換の規制は緩和されました。
なかには違法改造に該当するマフラーを付けて走っている車両も見かけますが、これらが可能なのは昔に規制緩和されたことが関係しています。
保安基準で現在の法律を確認すると以前まではマフラーの近接騒音96db以下でならないという基本的な基準のみでしたが、数年前に国土交通省から発表された改正内容によって純正品以外のマフラーに交換する場合は、近接騒音が96db以下であったとしても「JASMA」認定の刻印がマフラー本体に溶接留め等で明示されていなければ保安基準に適合せず、車検に通らないとされています。
このJASMAが何かと言うことですが、これはアフターパーツとして試験に合格して国土交通省から認可を受けているという証明のことを言います。
昔のように交換しただけで違反切符を切られるというのは稀ですが、現在でも認可を受けていないマフラーに交換することは法律に触れるということを知っておきましょう。
しかし、このJASMAには例外があります。
認可を受けているからといってどんな音量になっていても保安基準に適合するということではありません。
排気管(マフラー)の中にはサイレンサー機能を持った部品が組み込まれています。
しかし、使用年数が長くなると経年劣化等により近接騒音が大きくなることがあります。
もともとは保安基準に適合するマフラーであったとしても基準である96dbを超えてしまうと車検に通りませんので注意が必要です。
車検前にマフラーの音量が大きくて不安だと言う場合は、事前に整備工場で近接騒音のチェックしてもらうと安心ですね。
マフラーの仕組み
マフラーとはそもそも何のためにあるのでしょうか。
経験がある方であればわかると思いますが、エキゾーストマニーホールドとマフラーの最先端にあるフロントパイプを切り離した状態でエンジンを始動すると難聴になるのではないかと思う程の爆音がします。
マフラーの一番の目的はサイレンサー機能です
エンジンのエキゾーストマニーホールドまできた排気音をフロントパイプ・触媒・センターパイプ・リアマフラーを通して後方排気にすることで、必要最低限の音量に抑えているのです。
極端に言えばマフラーの音など必要ない程です。
もう一つの目的は排気効率です
エンジンから大気開放していたり真っすぐのパイプを取り付けただけでは排気ガスの抜けが良すぎるため、エンジンのレスポンスが悪くなってしまいます。
そこで排気管に多少の曲げを作ってわざと排気抵抗を作っています。
そうすることで低速からのトルクを稼ぐことができ、問題なく自動車は走行することができるのです。
ですので、爆音がいいからと言って触媒から後方のセンターマフラー・リアマフラーを取り外すと抜けが良くなりすぎて低速のトルクがスカスカになってしまいます。
確かに音量は大きくなりますがうるさいだけですし、近所迷惑なので絶対にやめましょう。
マフラー交換をするメリット
マフラー交換をするメリットですが、これは何といってもマフラーサウンドからくる心地よさです。
うるさすぎると車を運転しているだけで疲れますので適度な音量のマフラーに交換することをおすすめします。
お洒落の一環としてマフラーを交換するのですが、実はマフラーを交換する本当の理由はパワーアップにあります。
前半部分でも触れましたが、マフラーは音量を抑えるためにさまざまな工夫をしています。
抜けが良すぎるのは良くありませんが、やはり純正マフラーというのは排気抵抗が大きくなっていますのでパワーは抑えて作られています。
突き詰めると厳密的にはエンジン関係のパーツの交換も必要となってきますが、マフラーを交換すれば基本的にはパワーアップに繋がります。
気になるマフラー交換の費用ですが、リアマフラーの交換のみでしたら作業工賃の相場は例外はありますが、一般的に\5,000~\7,000ぐらいが基本です。
マフラー交換のデメリット
メリットもあればデメリットも付き物です。
マフラー交換をすることで考えられるデメリットですが、まず考えられるのは燃費の悪化です。
メリットの部分でも触れましたが、マフラー交換と合わせてエンジン関係の部品も交換してやる必要があります。
そのあたりをクリアしてきちんと燃費を考えてエンジンコンピューターをリセッティングすれば、マフラー交換を行っても燃費は悪くなりません。
しかし費用等を考えれば実際にはマフラー交換だけや、やったとしても社外品のエアクリーナーに交換するまでという人がほとんどです。
そのため、マフラーを交換する際には燃費の悪化が前提となります。
そして、マフラーを交換する際に懸念する一番のデメリットはやはり騒音問題です。
駐車場が住宅地にある場合、真夜中に帰って来る時に近所の目を気にしなければいけません。
マフラー交換をする前に近所付き合いに悪影響が出ないマフラーを探すことが大切です。
まとめ
- メリットは、マフラーサウンドからくる心地よさとパワーアップ。
- デメリットは、燃費の悪化と騒音問題。(マフラーだけでなくエンジン関係の部品もきちんと交換、リセッティングすれば燃費は悪くならない)
マフラー交換にはメリットだけではなくデメリットもあり、交換する前に考えるべきこともあります。
良い近所付き合いを確保しながらカーライフを楽しみたいですね。