ガソリンスタンド・カーディーラー・自動車部品用品店などで空気圧の調整を勧められたことはありませんか?
自己所有の自動車はもちろんですが、レンタカーに乗っていて経験したこともあるのではないでしょうか。
今回はその馴染みのあるタイヤ空気圧について解説したいと思います。
タイヤ空気圧の数値
ほとんどの車種が運転席側のドアを開けたピラー部分にその車種の適正空気圧を示すラベルが張り付けられているのをご存知でしょうか?
自動車メーカー出荷時点でこのラベルは貼り付けられており、その車種に設定されている純正タイヤサイズの指定空気圧が指定されています。
その車種が世に出る前、各自動車メーカーではその車種に適正となる空気圧を実験に実験を重ねて決定します。
そのため、当然ではありますが採用する純正タイヤサイズやホイールサイズ・足回りのセッティング等トータルで世に出せるように仕上げます。
そうして算出されたのがタイヤ空気圧ですので、メーカー指定のアルミホイール・タイヤサイズを使用しているのであれば指定どおりの空気圧に設定するのが最も車に適していると言えます。
しかし、ドレスアップ等でインチアップをして純正指定でないタイヤを装着している場合は、純正指定のタイヤ空気圧で調整を行わないのが一般的です。
純正のタイヤ空気圧はあくまで純正タイヤサイズの適正値ですので、インチアップを行っている場合は社外アルミホイールなどを購入したタイヤショップにアドバイスしてもらいます。
タイヤサイズが上がるにつれてタイヤの扁平率も上がることがほとんどです。
コンパクトカーや軽自動車に装着することを目的としたタイヤであれば55~70の扁平率がほとんどですが、16インチ以上になると扁平率も次第に小さくなって行きます。
そうすると必然的にタイヤエアを張る(空気圧を上げる)のが一般的です。
ですので、純正でないタイヤサイズを装着していないのであれば純正のラベルは参考にするのにはいいのですが、そのままの数値で空気圧調整するのはあまり良くありません。
高速道路の走行
しかし、あくまでそれは基本的な数値の話ですのでシチュエーションによって空気圧の設定を変えたり、場合によっては変化する場合があります。
最も有名どころの話で言えば高速道路を走行する際の空気圧調整です。
先程の解説と被る部分もありますが、空気圧の基準はやはりメーカーの指定する空気圧です。
高速道路を走行すると、基本的に一般道よりも高い速度が走行するためにタイヤに掛かる負担が大きくなります。
特に高速コーナーとも言える箇所を通過する際には、速度が高い上にハンドルも切りますのでタイヤへの負担は一般道とは異なります。
今のタイヤは昔のタイヤに比べると横剛性も高くなっていますのでそこまでシビアに考える必要はありませんが、高速道路を走行する際にタイヤに掛かる負担を考慮して少し空気圧を上げるということは一般的に行われています。
とはいえ、空気圧の張り過ぎは厳禁ですので適正値にしましょう。
タイヤの空気圧が少ないとタイヤがたわみ、タイヤの両サイドがたわんで踏ん張りが効かなくなってしまうからです。
それとは逆で、タイヤ空気圧を入れ過ぎてしまうとタイヤの中心が膨らみ、タイヤの設置面積が少なくなってしまいます。
極端な入れ過ぎを行うとタイヤのグリップ力が低下し、乗り心地も悪くなります。
空気圧を入れ過ぎたことによって車両が跳ねて危険な状態にもなりかねません。
高速道路を走行する時はその中心の程良い数値にすることが大切です。
空気圧を高めにすることで燃費は良くなる?
よく、空気圧を高めすると燃費が良くなると言いますがそれは少し違います。
タイヤ空気圧は適正値が最もよい状態です。
しかし、スポーツカーなどに乗っていて一般道でもそこそこスピードを出す方の場合は空気圧を上げるべきです。
スピードを出した時にハンドルを切るのであればタイヤは踏ん張らなければいけません。
そんな時にタイヤ空気圧が低くたわんでしまうのでれば転がり抵抗が大きくなって燃費の悪化に繋がり、車両姿勢が不安定になります。
そのような状況を考慮してご自分の運転に合わせてタイヤ空気圧を調整しておくことが大切です。
また、それとは逆でタイヤ空気圧を低くしておいた方が良い場合もあります。
梅雨の季節や台風が接近している時などは豪雨に見舞われます。
少しぐらいの雨であればそこまで気にはなりませんが、豪雨となると運転していて危険を感じる場合もあります。
タイヤが安全に走行できる状態であるということが大前提ですが、事故を未然に防ぐためにもこのような場合にあえて空気圧を抜くという方法もあります。
先程の説明にもあったように、タイヤ空気圧が低いとタイヤはたわみます。
雨の路面はµが低いために晴天時に比べて明らかに滑ります。
普段、自動車を運転するのであれば雨天時に車が滑った経験がある方もおられるのではないでしょうか?
もしも豪雨の中で運転しないといけないのであれば、わざとタイヤ空気圧を抜いてタイヤをたわませます。
加減は必要ですが、こうすることによってタイヤと路面の接地面積が大きくなって多少は滑りにくくなります。
まとめ
- メーカーから指定された適正値が最も良い状態
- 高速道路を運転する際は高めに設定するのが一般的(しかし張り過ぎには注意)
- 一般道を走行する場合、空気圧を高めに設定しても燃費に影響はない
何もかもが自動車メーカー指定空気圧というわけではありませんが、純正ホイールに装着したタイヤであれば基本はメーカー指定の空気圧がおすすめです。
メーカー指定の空気圧を基準とし、高速道路を走行する場合はご自身の運転に合わせて空気圧調整を行うのが車にとって最も良い方法だと言えます。
ある意味裏技のような要素ですが、雨天時には安全のためにタイヤ空気圧を抜いてタイヤのグリップ力を上げるという方法もあります。
その他にも季節やシーンによって空気圧調整によって乗り心地などを操作することも可能です。