リーフのような電気自動車を除けば自動車・バイクなど原動機が付いた乗り物を動かすためにはガソリンが必要となります。
ではガソリンエンジンに給油する際、レギュラー車にハイオクを入れると何か効果はあるのか?
結論から言うと、燃料ライン・エンジン内部の洗浄といった効果に期待ができます。
レギュラー仕様のエンジンにハイオクガソリンを給油するとどうなる?
巷ではレギュラー仕様のエンジンにハイオクガソリンを給油すると燃費がよくなると言われています。
最大の効果は燃料ライン・エンジン内部の洗浄です。
レギュラーガソリンであれば基本的には洗浄剤が含まれていませんので、カーボン等が蓄積しています。
ハイオクガソリンを給油すると添加剤の性能によってカーボンが取り除かれ、エンジンパワー・燃費の回復を促すことができます。
しかし、この機能に関しては別の方法で性能回復を図ることもできます。
それはガソリン添加剤を注入することです。
ハイオクガソリンを入れるもうひとつのメリットはノッキング防止です。
自動車メーカーの指定ではレギュラー仕様となっていたとしてもハイオクガソリンが望ましい場合があります。
特にベースがエコカーとなっているスポーツモデルなどがそうですね。
エンジンの基本性能が変わらなければ当然、レギュラー仕様のままです。
しかし、スポーツモデルのためワインディング等で楽しむのであればどうしても高回転域までエンジン回転を回すでしょう。
そうした時にシリンダー内圧力が上昇し、ノッキングする可能性が出てきます。
こちらの判断はご自身の乗り方によるところですので、ご自身の運転に合わせてガソリンを決めるのがよいでしょう。
レギュラーガソリンとハイオクガソリンの違い
ガソリンエンジンに給油するガソリンは大きく分けて3つの種類があります。
レギュラーガソリン・ハイオクガソリン・アルコールガソリンです。
各石油メーカーによって細かくは異なりますが、大きく異なるのはオクタン価の違いです。
ハイオクガソリンはレギュラーガソリンと比較するとオクタン価が高くなっています。
オクタン価とはアンチノック性のことをいい、これが高いガソリンは(レギュラーガソリンと比べた時)着火した際に燃えにくい性質を持っています。
これは燃えやすいガソリン性質を持っていると未燃焼ガスが自己着火を起こしてしまい、その結果としてノッキングを起こすためです。
逆に言うと、レギュラーガソリンはノッキングの可能性が比較的低い性質のエンジンに指定されています。
シリンダー内の圧力が高くなりがちなターボ車や高回転型NAエンジンなど、スポーツカーのほとんどがハイオクガソリン指定となっているのはこのためです。
アルコールガソリンについてはあまり馴染みがないと思います。
今から15年以上前になりますがまだガソリンの単価が安かった頃のお話です。
さまざまな問題がありすぐに販売禁止となりましたが、レースの一部カテゴリーで使用するアルコールガソリンを市販用に一部改良したものです。
ガソリンの単価も安く、ハイオクの代用ができるので当時スポーツカーによく使用されていました。
現在では販売が禁止されていますので、モータースポーツの世界でしか使用されていません。
ハイオクガソリンの性能
ハイオクガソリンを給油することで得られる性能は大きく3つに区分されます。
ノッキング防止
ハイオクガソリンはレギュラーガソリンに比べてオクタン価が高く作られています。
そのため、燃えにくくノッキングがしにくい性質を持っています。
この性能こそがハイオクガソリンの最も重要なポイントです。
エンジン内部の洗浄
ほとんどの石油会社で販売されているハイオクガソリンには、基本的な性能の他にエンジン内部を洗浄する性能が持たせてあります。
これはガソリン添加剤とほぼ同等のもので、洗浄剤の添加剤が含まれています。
これは一般的にはハイオクガソリンのみに含まれているものですので、レギュラーガソリンには添加されていません。
ハイオクガソリンを給油することで燃料ライン・エンジン内部にあるカーボンを除去してエンジンのコンディションを向上させます。
エンジンパワー及び燃費性能向上
ハイオクガソリンを給油するとエンジンパワーや燃費性能が上がると言われています。
間違いではありませんが、ガソリンの成分の中にその効果が得られるものが含まれているということではありません。
上記のエンジン内部の洗浄がこの肝となっており、燃料ライン・エンジン内部が綺麗に洗浄されたことによってそのエンジンが本来持つ性能を発揮するというものです。
カーボン等の不純物が取り除かれ、ガソリンの流れが良くなり出力・燃費の両方が改善されますので良くなったと感じることが世間でこのように言われている理由です。
まとめ
- レギュラー車にハイオクを入れることで、燃料ライン・エンジン内部の洗浄といった効果に期待ができる
- ガソリン添加剤を注入することで同等の効果に期待できる
レギュラーガソリン・ハイオクガソリンの性能を理解すると、ハイオクガソリンの必要性が個人の考え方によるという部分が出てきます。
ワインディングや高速道路で走らず普段から運転もおとなしいのであれば、定期的にガソリン添加剤を入れるのが得策と考えます。